AM 11:00
ナチュラGPより一足先に決勝がスタートする
HSR九州 CBR250R ドリームカップ
予選4番手と校長の期待を良い意味で裏切ったハ・ルート
つい決勝も期待してしまう所だが
過度な期待や言葉はプレッシャーを掛けるだけとの思いから
グリッドでは、「スタートだけ決めて 後は楽に走れ」
この一言だけのアドバイスに留まった。
刻一刻と迫るスタート時間
そうは言っても緊張をするのが常というものだ
表情が強張り始めた時 クルー撤収のコール
最後に背中をポンポンと叩き校長はピットへと向かう
ここから先は、1人で戦わなければならない
新しい世界への第一歩・・・。
何も手伝わなかったヤ・スーシもグリッドを見つめる
ここまでの準備期間 叩かれ、泣かされながらも
頑張ってきたハ・ルート
どうにかポディウムに上がって欲しいと思うのは
校長の本音ではあるが・・・
シグナルが点灯しフォーメーションラップスタート
心を落ち着かせハ・ルートも ゆっくりとクラッチを繋ぐ
フォーメーションラップを終え レッドフラッグが提示され
後方からグリーンフラッグが振られ
オフィシャルも退去
シグナル塔にランプが灯り・・・
ブラックアウト!
CBR250R ドリームカップ決勝スタート!
各車 一斉にスタート!
いや!?
PPのRUKA選手が痛恨のスタートミス!
ハ・ルートは?
姿が見えない!失敗したか?
いや!
上手くスタートを決めトップグループの中だが
苦しいポジショニング!
上手く抜けていけるのか?
1、
2コーナーを抜け ポジションは2番手!
この時 校長は、正直ヤバイと思った・・・。
テンションが上がりすぎて飛んでいくんじゃないかと
オープニングラップ 最終コーナーを立ち上がってきた!
先頭は!?
なんでか!?
ハ・ルート!!!
素直に喜ぶべきなのだが
校長は不安で不安で仕方がなかった
PPのRUKA選手は!?
スタートミスで最下位までポジションを落としたものの
一つ一つ確実にポジションを上げてきており油断できない展開
フィールドスプリットは13秒程度
何かあれば一瞬で消えてしまう程の時間
3ラップまでトップを死守するハ・ルート
ピット前を通過する度 校長を確認している
気持ちが一杯一杯なのであろう
しかし 出せるピットサインは無い
その直後 踏ん張るも裏ストレートで交わされ2番手に後退
ピット前を通過する時 校長は大きなジェスチャーで
OKサインを出し これに軽く頷いたハ・ルート
気持ちが少し軽くなったか?
それとも落ち着きを取り戻したか?
4ラップ目の折り返しストレートで再びトップを奪い返した!
だが大先輩達がひしめく このクラス
ハ・ルートの経験値など赤子の手を捻るよりも容易い
5ラップ目に再びポジションを奪われ2番手にポジションダウン
ハードなトップグループ 息つく暇もないのは当然
必死で走るハ・ルートへ3番手のマシンがハードプッシュ!
インからアウトからと揺さぶりを掛ける
猛攻に次ぐ猛攻!
凌ぐには経験値が少な過ぎる
必死の形相は ピットからも確認出来るほど
「踏ん張れハ・ルート!」
この頑張りに校長は既にウルっときていた・・・。
非常に単純な校長。
更に最後尾までポジションを落としたRUKA選手が
早くも4番手にまでポジションを回復!
3台によるハードバトルが幕を切った!
3番手を走るゼッケン7のマシンを操るライダーは、
キャリアも何もかもが雲の上の存在
現在4番手のRUKA選手も年齢はハ・ルートよりも下ながら
CBR250Rでは、大先輩!
どこまで踏ん張れるか?
均衡が崩れたのは7ラップ目
RUKA選手が抜き出てきた!
これに連動する様にゼッケン7番もスルスルと抜けていく
これでハ・ルートは4番手
落胆する校長ではあるが役者が一枚も二枚も上手のライダーに
善戦してると感じていた。
「このままのポジションでもいい」そう思った時であった
トップを走るマシンがシケイン立ち上がりで転倒!
これによりトップはRUKA選手
ハ・ルートは3番手!
ラスト2ラップ!
消えかかったポディウムが再び見えてきた!
ラストスパートを掛ける2台のマシンへ対し
ハ・ルートも最後の力を振り絞りラストスパート!
大先輩のゼッケン7番のライダーに対し猛チャージを掛ける
抜いては抜き返されが続く紙一重の攻防!
ファイナルラップ!
ホームストレートをサイドByサイドで1コーナーへ向かう
その時であった!!!
ハ・ルートのマシンがゼッケン7番に寄ってしまい接触!!!
激しく揺れるマシン!!!!
思わず目を塞ぎたくなる光景だ!
しかし!
これを救ったのは経験豊富なゼッケン7番!
上手くマシンを立て直した事によりハ・ルートも転倒を免れる
僅かに前に出たハ・ルート
そのまま1コーナーへ侵入し2番手へ!
残すコーナーは僅か!
凌げるか!?
最終コーナー!立ち上がって来るのは!?
オレンジ色のマシン!ハ・ルートだ!
スリップから抜け出すゼッケン7番
どちらが前だ!?
ハ・ルート!
ハ・ルートが前だ!
デビュー戦を2位でチェッカー!
チェッカー後 ゼッケン7番の大先輩ライダーと握手を交わす姿
これを見た校長はピットウォールで1人 大号泣していた・・・。
小学校4年生から見てきたハ・ルートが ここまで成長した
それを思い出すと涙が止まらなかった。
因みに この瞬間の記事を打ち込みながら
また涙が出てきたのは言うまでもない・・・。
ピットへと無事に帰ってきたハ・ルート
何度も何度も 「よくやった!よくやった!」と涙を流しながら
校長は抱きしめた・・・。
この情報は、瞬く間にナチュラサーキットへ伝えられ
ハ・ルートの成長に 塾長、代表を初め
mini-motoGP.comメンバーが喜んだ!
#66 ハ・ルート (犬の乳酸菌.jp/ & mini-motoGP.com)
「本当に信じられないよ!こんな結果が待ってたなんて!
スタートで飛び出したまでは、校長との作戦通りだったけど
その後 トップを走る事は予定外の出来事だったからね!
ここに辿り着くまでに沢山の人々が関わってくれた
確かにプレッシャーは大きかったし
僕は、それを跳ね返し何かを示さなければならなかったんだ
それが こういう形で表現できた事は最高の出来事だね!
まだまだ一歩を踏み出しただけだ
ここから僕の物語をハッピーにしていく為 更に努力していくよ!
応援してくれたすべての人々へ ありがとうと伝えたい!」
デブデブ・ストーナー(三井学級 校長)
「なんと言って良いか分からない
彼の駆け出しの頃を思い出してしまうね。
グリッドに着くまでは長い道のりだったし
そこへ向かう為 彼なりの努力を僕は見てきた
それが こういう形で表れた事は、何よりも嬉しい
当然 手放しで喜べる訳ではないが
今日は、褒めてやりたいね!
結果も大切だが沢山の方々に支えられてる事を忘れず
これから更に飛躍して欲しいと願うよ!」
AM 11:30 ナチュラGP決勝の幕が開く
誰かが呟いた・・・
「さぁ!今度は俺達が頑張る番だな・・・」
記事 : mini-motoGP.com番記者
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